■ 舞台後記 「あかきくちびるあせぬまに」 ■


あかきちびるあせぬまに


    

<2002年11月17日〜24日>

脚本 *** 八木柊一郎

演出

*** 佐藤 順一

Staff
照明 冨山 龍平
音響 溝上 龍一
美術 坪内 晋司
デザイン 龍平
衣裳 神田 繭子
制作 山ア 茂美

 



+++CAST+++

Junichi Satou

 

Hiroko Nakano

 

Keiko Maesaki

 

Byakuren
Tubouti

Atuko Aoki

Nao Nishiyori

Shinpei Syouda

Minami Oda

Masataka
Yamamoto

 

 

 

タヅ「梅本タヅと申します
   ・・・娘を・・・亡くしまして・・・・」

少尉「では、行きます。」
とよ 「・・・武運、長久を、お祈りします。」
タヅ 「♪花も〜嵐も〜踏み越〜え〜て〜♪」

歌い終わるタヅ
一同「・・・・・・・・・・・・・・」

骨箱を落としてしまう和弘
和弘「すし・・が・・・」

タヅ「文子・・・かわいそうに・・・」
一同「・・・・・・・・・・・・」

新寿司「お勘定いただきましたから。」
 タヅ 「あぁ、そう。」

とよ「見て、蛍よ。お通夜をしましょう。」
タヅ「わたしととよさんの手を青い光がくまどり・・・」

タヅ「おかえりなさい。」
和弘「・・・お母さん。」

田口「お夕飯のおかずを作ってさしあげてたんですのよ。」
タヅ「・・・そうですか。」

田口「安田さ〜ん、ってかけよったら・・・」

あさ子「安田さん、ほんとに素直な患者さんね」
タヅ 「ご紹介します。正看護婦さん、野村あさ子さんです。」

あさ子「ポ・ト・フ!」
タヅ 「へ?」

あさ子「他人だけど、家族なのよね。
      あたしここへはもうこないわよ。」
和弘 「あした、電話するよ。」

田口「つき合いきれないわ。なんてひとなんだろう。」
タヅ 「・・・サイパン。サイパン島・・・・」

タヅ「・・・川村さん。本当にあなた、サイパン島で死んだの?」

和弘「その唄、よくうたってるね。」
タヅ 「ええ。わたしのテーマソング。」

靖代「その写真・・・和弘さんに見せちゃだめよ・・・」

タヅ 「その台、あんまり出ないわよ。
     変わってあげようか?こっちと。」
和弘「・・・いいですよ。」

口紅を渡す、和弘
タヅ 「・・・・・・ありがとう。」

タヅ「出征する前にわたしに、口紅をくださったの。
     新しい口紅を・・・わたしに・・・。」

タヅ 「ねぇ。あのひとなんかどう。白い傘の。」
和弘「・・・若すぎるよ。大学生じゃないの?」

和弘 「・・・ここへ来いって云われたの。」
あさ子「午後の三時に、ここで和弘さんが待ってるからって。」

和弘 「おれの云ったとおり、いいひとだったろ、やっぱり。」
あさ子「ええ。」

新寿司「置きみやげだそうです。どうぞ。
     ・・・どうかしたんですか?」
和弘 「・・・・かあさん。」

タヅ「まぁ、小林さん。こんなところで・・・・。」
小林「・・・どうも。」

タヅ「・・・・見えた?川村さん、見えた?」
とよ「・・・わからない。わからないわ。もっと高くあげて。」

タヅ「とよさんには口紅、あたしにはビスケット!
     とよさんには、口紅・・・あたしには・・・ビスケット・・・」

少尉「タヅさん!頑張れ!」
・・・口紅を見つめるタヅ・・・


<演出/新寿司>
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佐藤順一

8日間、12ステージの上演が、無事終了致しました。

たくさんのお客様に観ていただき、本当に嬉しく思います。

今回のこの舞台で、演劇を創るという事が、なんとなく見えた様な気がします。

芝居が好きである事。脚本を愛する事。役を愛する事。セリフを愛する事。

そして、謙虚である事。素直である事。・・・なによりも、そういう自分を誇りに思う事。

そんな事を感じられた舞台でした。

さぁ、又、次の舞台が待ってるぞ!ファイト!!!


<梅本タヅ>
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中野弘子

なにしろ・・・怖かった。初日の幕が上がるのが、こんなに怖い芝居は初めてだった。

形の無いプレッシャーと闘いながら・・・でも必ず幕は上がる。そして必ず終わりも来る。

「一生のうちに、こんな役は一度あるかないかだ。」と言われた。本当にその通りだと思う。

楽日が終わって、寂しさがこみあげて来た。稽古中からずっとわたしの中に住み続けてきた

「タヅの想い」と別れるのが寂しかった。こんな気持ちになったのも初めてだった。

色々な事を・・・色々な思いを経験出来た、舞台だった。

この公演でわたしを支えてくださった全ての人に・・・そしてご来場いただいた全てのお客様に・・・

心から・・・ありがとうございました。


<隣の田口>
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前崎圭以子
(福岡現代劇場)

七年ぶりの役者としての舞台。

八日間12ステージの長丁場、自分の子供位の年齢の人達の中・・・と、不安はいくつも・・・・。

でも、稽古好きの”ばぁくう”で、芝居のことばかり考えていられるのだから嬉しくなる。

そのうち年齢の差も、エネルギーの差も、不安もどんどん消えてゆく。

やっぱり、芝居はすばらしい。

こんな充実の時をありがとう。”ばぁくう”の皆さん、一緒にお仕事した皆さん、

そして何より観に来てくれた観客の方々に、感謝!!


<川村少尉>
<安田和弘>
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坪内白蓮

皆様、御来場ありがとうございました。

私にとって二年ぶりの出演でした。緊張しました。壊れそうでした。いや、壊れました。

演出、キャスト、スタッフの皆さんに御迷惑をかけました。感謝感謝です。

まわりの皆様のお陰で、良い舞台に立てたと思っております。

これからも頑張って行きますので宜しくお願い致します。


<野村あさ子>
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青木あつこ

芝居が終わって・・・・・

観に来てくださった方、スタッフ、共演者、みんなに感謝の気持ちでいっぱいです。

芝居って本当に様々な人の力が集まってはじめて成り立つものだと、改めて実感しました。

稼動パネルを作ってくださった、みつぐさんをはじめ、本物のナース服を、

見も知らぬ私に貸してくださった看護婦さん、ありがとうございました!

ナース服、一度着てみたかったので、とっても満足♪


<岩崎靖代>
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西依奈起

靖代さんは恐い人です。気が強くて、ぽんぽん言葉を吐いて、仕事もばりばりで・・・。

実は私は、大きな体に小さな心臓の持ち主なので、こんなにパワフルな女性とは

全く違うタイプなのですが、彼女を通してこういうタイプの人の中の優しさや、

可愛らしさみたいなものを感じ取れたような気がします。

靖代さんに感謝!この脚本に感謝!

また、このお芝居に関わった全てのメンバーに感謝!

そしてなによりも、この公演を観に来てくださった方々に感謝!です。


<岩崎>
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彰田新平

僕らは何かのキッカケで確認する必要がある。

八木柊一郎作「あかきくちびるあせぬまに」に出会って、戦争を経験したタヅの生き方が

垣間見れた。日本人がもう忘れてしまっている大事なものをあらためて思い知らされた気がした。

平和な世の中が続くことを望んではいるが、今僕らが生きている現在と過去と未来を、

しっかり見据えた上で生きていくことが必要だと感じた。

ちっぽけな自分だけど、確かにこの世に生まれてきたのだから。


<とよ>
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小田みなみ

お忙しい中、又寒空の中ご来場頂きありがとうございました。

「ばぁくう」のお芝居に今回初めて参加させて頂き、私はたくさんの宝物が出来ました。

昨年の今頃私は「来年なんて無い!!」と思う位落ち込んでいました(笑)

そんな私が今こんなに幸せいっぱいだなんて・・・

縁とは不思議なものです。大きな力です。佐藤さんを始め、ばぁくうの皆様に支えられ、

小さな私が舞台へ立つ事が出来ました。

8日間の公演の最中「生かされている」と実感しました。不安もたくさんありましたが

「とにかく今は頑張る!!」の気持ちで無我夢中でした。

私が今回頂いた大きな宝物は「人との御縁」そして「絶対あきらめない勇気」です。

これからも皆さんと一緒に呼吸できたら幸せです。


<小林>
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山本正敬

このお芝居を観に来てくださった皆様、共演させていただいた役者やスタッフの皆様、

本当にありがとうございました。

このような素晴らしい舞台に自分が参加できたということは、まるで夢のようです。

けれども、この間に学んだ数多くのことや芝居の面白さ、喜びは、今も確かなものとして

自分の中で生きているのを感じます。

これからも、教職を目指しつつ、芝居の道を歩んでいきたいと思います。

本当にありがとうございました。


ご来場、ご声援、本当にありがとうございました!